時間・お金・休息…哲学者セネカの名言を要約/解説_人生の短さについて

時間・お金・休息…哲学者セネカの名言を要約/解説_人生の短さについて 人生を豊かにする本の要約
時間・お金・休息…哲学者セネカの名言を要約/解説_人生の短さについて
  • 「時間がない」
  • 「お金がない」
  • 「休息がとれない」

多くの現代人が抱える悩みは、2000年前に生きた古代ローマの哲学者”セネカ”によって、答えが出されています。

本記事では、古代ローマの哲学者”セネカ”の著書から、現代人が抱える「時間」「お金」「休息」の悩みの解決策を、最新科学のデータで裏付けしながら解説します。

セネカとは何者か?

セネカとは、二千年前の古代ローマの哲学者です。

セネカは数多くの著書で「人はいかに生きるか」について、多くの教えを残しています。

「いかに生きるべきか」という問題は、時代や地域を越えた普遍的な問題です。本書でセネカは、以下のことを考察しています。

  • 人生の時間の過ごし方
  • 不運への立ち向かい方
  • 毅然とした心の持ち方

こうした問題は、人間が生きている限り必ず生じてくる問題です。

セネカの教えは、現代に生きるわれわれにとっても重要な意味を持っています。

セネカの言葉は、われわれ自身がよく生きるためのヒントを与えてくれるものなのです。

本記事では、そんなセネカの教えの数々から、現代人にありがちな悩みに沿った解決策を紹介します。

ルキウス・アンナエウス・セネカ - Wikipedia

いつも忙しく自分の時間が無いと嘆く人への教え

「時間がない」は、古代ローマ人も抱える悩みでした。

そんな人生の短さを嘆く人々をセネカは批判し、人生は過ごし方次第でいくらでも長くなるのだと説いています。

セネカが考える時間との間違った関わりは「多忙」であることです。多忙とは、たくさんの仕事や用事に追われて忙しいことですが、日本語の「忙」とは「心を失う」、すなわち、余裕をなくして自分の心を見失っている状態を意味します。

では、どうすれば「多忙」から抜け出すことができるでしょうか?

セネカの遺した言葉から、そのヒントを探りましょう。

時間の倹約家になれ

「人は、自分の財産を管理するときには倹約家だ。ところが、時間を使うときになると、とたんに浪費家に変貌してしまう」

セネカは著書「人生の短さについて」で人々の時間に対する考え方を改めようと、このような言葉を残しています。

確かに、現代人にも当てはまりますね。

1円でも安い家電製品を買うために、比較サイトを血眼になって一番安い店で買うという、お金に対する節約意識が高い人でも、仕事中に同僚に「ちょっといい?」と声を掛けられると、話の内容を確認せずに「いいよ」と即答してしまい、時間を浪費してしまいます。

人生において、お金が有限であるように、時間も有限なのです。

お金を消費するときに「これはお金を使ってまでほしいものなのか?」と誰しもが自分に問うように、時間を消費するときも「これは時間を使う価値があるのか?」と自分自身に問いかけてみましょう。

「多忙な人は、みな惨めな状態にある。その中でもとりわけ惨めなのは、他人のためにあくせくと苦労している連中だ。彼らは、他人が眠るのにあわせて眠り、他人が歩くのにあわせて歩く。だれを好いてだれを嫌うかという、なによりも自由であるはずの事柄さえ、他人の言いなりにならなければならない。」

さらにセネカは、時間の使い方で一番惨めなのは「他人のために苦労すること」と断言しています。

先の例の同僚からの安請け合いをする前に、その内容を吟味して「やるべきとと・やるべきでないことを仕分けし、やるべきでないことは切り捨てる」くらいのことをしないと、あなたはいつまでも時間を無駄にしてしまうでしょう。

先延ばしするくらになら、いっそやめてしまえ

「先延ばしは、次から次に、日々を奪い去っていく。それは、未来を担保にして、今このときを奪い取るのだ。」

セネカは、著書「人生の短さについて」で先延ばしをこのように表現しています。

これは、現代科学でも証明されたれっきとした事実です。

「思い立ったが吉日」という言葉があるとおり、人のモチベーションは思いついた瞬間が一番高く、それ以降はモチベーションは目減りしていくばかりであることが分かっています。つまり、思いついた瞬間に行動するのが最も早く、そして高い成果を得ることができ、先延ばしにすればするほど苦労するし、成果も低くなってしまうのです。

また、人は先延ばしにしたことを忘れないようにするため脳のメモリーを使い続けます。すると、今やるべき他の仕事に使うはずのメモリーも、先延ばしを忘れないことに使われてしまうことになり、今やるべき仕事の処理スピードも成果も奪ってしまいます。

これがセネカの言う「未来を担保にして、今このときを奪い取る」ということです。

以上から、思いついたことが本当にやるべきなら今すぐ行動しましょう。それができないなら、いっそやめてしまったほうが健康には良いと言えます。

しかし、そうはいっても現代人の仕事はそれを許してはくれません。ときには先延ばしにすることも必要なことがあります。

そんなときは、以下の方法を使うことで先延ばしにしたときのモチベーションの低下や脳のメモリー消耗を防ぐ事ができます。

脳のメモリー消耗を防ぐ方法

  • 思いついた内容を、メモやノートに書きなぐる
  • 思いついた仕事を、少しだけ手を付けて中途半端な状態で終われせておく

これは脳の働きを分析した結果に基づく対策で、多くの脳科学の書籍で推奨される方法です。

1つ目の、メモ書きするというアクションにより、脳は「自分が覚えておかなくても良い」と判断してメモリー消耗を抑えられます。

2つ目の、仕事に少しだけ手を付けることで、目減りするモチベーションを引き上げ、次に再開するときに取り掛かるハードルを下げることができます。

仕事には必ずゴールを設定しろ

「手を出すべきでないのは、やればやるほど際限がなくなっていき、決めたところで終わらない仕事なのです。」

セネカは著書「心の安定について」でやるべきでない仕事についてこのように述べています。

これは現代人にも当てはまります。

例えば、プレゼン資料を作るとき、凝り性の人が、細部までこだわって資料作りがいつまでも終わらないというのはよくある話です。

これは、資料作りのゴールが設定できていないから陥るのです。

プレゼンの相手が社内なら、体裁にこだわる必要はありません。相手に何をしてほしいのか、自分は何がしたいのか、その背景、これだけが明確なら十分なはずです。

一方で相手がお客さまなら、少しは体裁に気をつけたほうがいいでしょう。内容もお客様が知りたそうな、値段・商品のメリット・他のお客さまの導入事例などを先読みしておくと良いでしょう。

このように、事にはそれぞれ目的に合わせたゴールをまずはじめに設定する必要があります。

しかし多くの人はゴールを設定するまえに走り始めてしまうので、セネカの言う通り「やればやるほど際限がなくなって」しまうのです。

そのため、仕事を始めるとき2−3分だけでも良いので、その仕事のゴールはなにかを考えるようにしましょう。

時間・お金・休息…哲学者セネカの名言を要約/解説_人生の短さについて
仕事のゴールを設定してから始めよう

いつもお金が無いと嘆く人への教え

「お金がない」という悩みは、古代ローマから現代まで共通の話題で、セネカはお金が無いと悩む人たちに対して、具体的な対策を説いています。

この対策は、現代人にも当てはまることが多いので、そのいくつかを紹介します。

倹約は貧乏への最強の治療薬だ

「倹約無しには、どれだけの財産でも十分とはならず、どれだけの財産でも満足が得られないのだ。それだけではない。われわれは貧困に対する治療薬をてにいれたことにもなるのだ。というのも、倹約のちからを使えば、たとえ貧困な生活をしていたとしても、それをそのまま豊かな生活にすることができるのだから」

セネカは著書「心の安定について」で倹約であることがいかに重要かをこのように説いています。

お金がないというのは、入ってくるお金に対して、出ていくお金が多いから、「お金がない」状態になるのです。

入ってくるお金を多くすることはとても難しいですが、出ていくお金を減らすことは簡単です。無駄な出費を減らせば良いだけだからです。

つまり、浪費家から倹約家になれば、自然と入ってくるお金>出ていくお金になり、お金が貯まるようになるので、自然と「お金がない」から抜け出すことができるのです。

さらにセネカは、倹約家になることが「貧困に対する治療薬」になると述べています。

一度大金を手にした人が豪華な生活をするようになり、収入が減っても生活レベルを落とすことができなくなってしまう。という例は古今東西有名な話です。

倹約であれば、もし急にあなたの収入が激減しても、生活の満足度を下げることなく、貧困に悩まされることも減ります。

倹約の力、恐るべし。

ここで注意すべきは、倹約≠我慢ということです。

倹約のために、ご飯をもやし炒めだけにすると、ストレスが溜まってしまいますし、不健康になって入院でもしたら、もっとお金がかかってしまいます。

我慢しないでカットできる出費を減らしましょう。

例えば

  • 電気、ガス代を安い会社に切り替える
  • 携帯電話使用量を格安SIMに変える
  • 1日1杯の缶コーヒーを、インスタントコーヒーに変える

など、無理のない範囲で変えられることから変えてみることをおすすめします。

格安SIMは、楽天モバイルがおすすめです。

知識コレクターになるな

「学問のために出費するのはとても良いことだ。だがそれが理にかなうのは、限度をわきまえているときだけだ。数え切れないほどの書物を蔵書にしても、その持ち主が書名に目を通すことさえ、一生かけてもできないのなら、なんの意味があるだろう。書物の山は学ぶものを押しつぶすだけで、なにも教えてはくれない。多数の作家によって道に迷うより、少数の作家に身を任せたほうが遥かに良い。」

セネカは著書「心の安定について」で、学問のための出費についてこのように述べています。

ビジネスマンが自分自身の市場価値を高めるために、勉強をすることは、とても良いことです。

しかし、それが限度を超えると、悪い効果が出てしまいます。多くの教材にお金を掛けすぎてしまうと、結局集めただけで満足してしまい、身にならないのです。

古代ローマでも、お金持ちが自分の価値を高めるために多くの書物を買いましたが、いつしか「書物が多い=徳が高い」を表すステータスになってしまい、読みもしない書物を集めるコレクター化してしまったそうです。

現代人も、もしなにか新しいことを始めようと思ったら、その勉強のために大きく手を広げすぎず、数少ない書籍を何度も読むようにしましょう。

これは受験勉強でもよく言われる話です。いろんな出版社の本を買うより、同じ本を3周したほうがよいという言葉を聞いたことがあると思います。

セネカの言う「多数の作家によって道に迷うより、少数の作家に身を任せたほうが遥かに良い。」ということです。

時間・お金・休息…哲学者セネカの名言を要約/解説_人生の短さについて
多数の作家より、少数の作家に身を任せよう

休息・休みを後回しにしてしまう人への教え

毎日、仕事に追われると休息・休みをおろそかにしてしまいがちです。

「休みを取ったほうが体に良いのは分かっているんだけど、なかなか取れないんだよね・・・」という現代人に対し、セネカが休息・休みの重要性を説いています。

休息・休みを取らないことの恐ろしさを知るべし

「いかに肥沃であっても、休ませないと土地はすぐに枯れてしまう」

セネカは著書「心の安定について」で、休息の重要性をこのように説いています。

農業では、農場に絶えず農作物を育てさせ続けると、土地が痩せてしまい、最終的には農作物を育てることのできない土地になってしまいます。

そのため、二毛作や二期作といった方法で土地を休ませる時間を設けます。

これは人間にも言えることです。

常に働きっぱなし、緊張続きでは、どんなに優秀な人だって疲れてしまいます。長い人生を充実させるためには、ときには目の前の仕事から目を背けて休息を取ることが必要なのです。

特に最近はテレワークの発達によって、今まで以上に仕事とプライベートの境目が曖昧になってきました。

職場でなくても、家の中や通勤途中でも仕事ができるようになったことは、一見すると自由な働き方を手に入れたように見えます。

しかし、その一方で、いつでもどこでも仕事を意識せざるをえない状況に追い込まれたとも言えます。

そんな時代だからこそ、休息をとるために、仕事とプライベートの境目を自らはっきりとさせることが必要になります。さもないと、いつでもどこでも仕事の事ばかり考えて”枯れた土地”になってしまいます。

仕事とプライベートをハッキリと分ける方法

  • 「定時過ぎたら、仕事用の携帯電話の電源はオフにする」
  • 「毎週1日は、定時に帰宅する日を設ける」
  • 「休日は会社のパソコンは開かない」

このような行動を意識して習慣化することで、仕事とプライベートの境目をはっきりさせましょう。

孤独と交流のバランスを整えよう

「孤独と交わりをうまくつなぎ合わせて、交互に入れ替えるべきだ。孤独は人を恋しがる気持ちを掻き立て、交わりは孤独を恋しがる気持ちを掻き立てる。」

セネカは著書「心の安定について」で、上手な休息のとり方としてこのようなヒントを述べています。

人は、常に孤独でもいけませんが、常に誰かと交流していても疲れてしまいます。このバランスを保つことが大切なのです。

仕事で平日は人と関わる時間が多い人は、休日は一人で過ごしてゆっくり自分の好きなことに取り組んだり、逆に仕事で人との関わりが少ない人は、休日は友達と遊んだりして交流を楽しみましょう。

こうすることで、人生における孤独と交流のバランスが保たれ、どちらも満足した人生になります。

普段の自分は交流が多いか?孤独が多いか?を観察してみましょう。

多い方の逆を休息の時間に取ることで、良い休息が取れるようになるでしょう。

最高の休息法は自然の中を散歩すること

「我々は、屋外に出て散歩をするべきだ。大空の下で新鮮な空気をたくさん吸えば、精神の力は強まり活気を取り戻す」

セネカは著書「心の安定について」で、休息の方法として散歩を推奨しています。

これは現代の科学でも証明されている、良い休息の方法です。

まず、屋外に出て日の光を浴びると、セロトニンというホルモンが分泌され、このセロトニンによって人は幸福感を感じます。ストレスが溜まった時は、外に出て日の光を浴びましょう。

さらに、散歩をすると、歩くことで足裏から単調なリズムの刺激が体に加わります。この単調なリズムの刺激は、ストレス軽減効果があると言われています。単調なリズムの刺激により、セロトニン濃度が高まることで不安や抑うつ感などが改善されるだけでなく、元気が出て良い気分になります。

加えて、散歩をするなら公園や森林などの自然溢れる場所へ行くことをおすすめします。自然に触れると、脳の働きのうち、記憶や思考、感情をコントロールする部分の活動が抑えられ、気持ちが落ち着くことが分かっています。さらにリラックス効果に加え、樹木が発する成分そのものが体を健康にしてくれます。日本医科大学付属病院(東京・文京)の医師で森林医学研究会代表世話人の李卿氏によると、森林の樹木が発する香り成分「フィトンチッド」の作用によって免疫機能が高まります。フィトンチッドに触れることで、体内でがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞が増えることが確認されています。

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まとめ

いつも忙しく自分の時間が無いと嘆く人への教え

  • 時間の倹約家になれ
  • 先延ばしするくらになら、いっそやめてしまえ
  • 仕事には必ずゴールを設定しろ

いつもお金が無いと嘆く人への教え

  • 倹約は貧乏への最強の治療薬だ
  • 知識コレクターになるな

休息・休みを後回しにしてしまう人への教え

  • 休息・休みを取らないことの恐ろしさを知るべし
  • 孤独と交流のバランスを整えよう
  • 最高の休息法は自然の中を散歩すること
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