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【初心者向け】限界利益・損益分岐点とは?計算とグラフの見方をわかりやすく解説

【凡人向け】限界利益・損益分岐点とは?計算方法とグラフの見方を解説

「限界利益って何?」
「損益分岐点の計算方法が覚えられない」
「何度勉強しても頭に入って来ない」

そんなお悩みありませんか?

平凡サラリーマンの私が、同じく平凡な方でも分かりやすいように、解説します。

はじめに

本記事では「丸暗記しないで、ストーリーで理解できるようにする」をモットーに解説します。

ホンモノのプロの方からすると「それは違う」とツッコミが入ってしまうかもしれません。あくまでも、理解の入口としての解説ですので、そこはご了承ください。

さて、新卒入社後の研修や、昇進試験の勉強中の方で「限界利益」「限界利益率」「損益分岐点」といった言葉に触れた方は、冒頭のように

  • 「なんだかピンとこないなぁ」
  • 「イマイチ頭に入らないなぁ」

というお悩みを抱える方は少なくないと思います。私もそうでした。私なりに勉強を重ねて編み出した独自の理解の方法をご紹介します。

限界利益って何?

基本の言葉とグラフを理解しよう

「限界利益」「限界利益率」「損益分岐点」を理解するためには、まずは基本の言葉とグラフを覚える必要があります。

サッカーを上手になるためには「フォワード」「オフサイド」「PK」といった言葉を覚えないとお話にならないよね!というのと同じです。

売り上げ(売上高)

1つ目の言葉は「売り上げ」です。この言葉はあいまいな部分があるので少し注意が必要です。

みなさん「売り上げとはなにか?」と聞かれたらどう答えますか?

「商品が売れた数」「商品が売れて、お客さんから受け取った金額」などなど、思いつくと思います。

ここで注意すべきは「売り上げ」という言葉には、商品を売った”量”と、売って得た”金額”の2つの意味が同居しているということです。

  • 量:今月は、おにぎりを1000個売り上げた。
  • 金額:今月は、おにぎりが1000個売れて、1個100円だから10万円売り上げた。

上の文を見れば一目瞭然です。同じ「売り上げた」でも意味するところが全然違います。

【初心者向け】限界利益・損益分岐点とは?計算とグラフの見方をわかりやすく解説

「限界利益」「限界利益率」「損益分岐点」を考えるときは、この”量”と”金額”のどちらも使われる場合がありますので「売り上げ」という言葉が出てきたら「これは量と金額どっちのことを言っているのかな?」と考える癖を身につけておきましょう。

なお「売上高」と言われたら、100%金額の方を意味します。

本記事では、理解しやすさを重視して、売り上げ=量(何個売れたか)で解説しますので、ご承知おきください。

固定費

次の言葉は「固定費」です。固定費という言葉は「売り上げがあろうとなかろうと、仕事をしてれば必要になるお金」になります。

スーパーマーケットを例に考えてみましょう。

固定費の例
・店舗のテナント料
・従業員の基本給
・電気代(食品の鮮度を保つため)
・冷蔵庫のリース料

このように、例え売り上げがゼロでも、支払わなければいけないお金のことを固定費と言います。

固定費

変動費

最後の言葉は「変動費」です。変動費は、固定費とは逆に「売り上げが増えれば増えるほど必要になるお金」になります。

スーパーマーケットを例に考えてみましょう。

変動費の例
・従業員の残業代
・新たに雇うバイトの給料
・商品の仕入れのお金

例えば、テレビで「しいたけが体に良い」という番組があり、これによりスーパーマーケットに人が押し寄せた場合、従業員は書類仕事などに忙しくなり残業代が増えます。レジ対応のバイトを増やさないとお客さんでごった返してしまうのでバイト代も増えます。しいたけ農家にしいたけを追加発注するので仕入れのお金も増えます。

グラフを理解しよう

基礎編最後に「限界利益」「限界利益率」「損益分岐点」を理解するために必ず出てくるグラフを紹介します。

損益分岐点のグラフ
このグラフはPower BI Desktopで描いています。Power BI Desktopの使い方解説記事

このグラフの横軸は「売上げ(売上高)」に、縦軸は「売上高&費用」を表します。

横軸の「売上げ(売上高)」は、何か商品を売り上げたときの”数”もしくは”お客さんから受け取った金額”のどちらかを意味します。売り上げ”高”と言われたら、金額になります。本記事では、理解しやすさを優先して、売り上げた数で説明します。

つまり、グラフが右に行けば行くほど、ある商品がいっぱい売れてハッピーということになります。

縦軸をざっくり説明すると、必ずお金を意味します。ただし、お金には2種類のお金があります。

  • 1つ目:売上高(ある商品が売れてお客さんから受け取ったお金)
  • 2つ目:費用(ある商品を売るために掛かったお金)

2つ目の費用には、上で紹介した「固定費」と「変動費」が含まれます。式で表すと下のようになります。

  • 費用 = 固定費 + 変動費

それでは、グラフの中身を紹介していきましょう。

このグラフは大きく分けて2つの線が引かれています。

1つ目は「売上高」です。売上高は、売れた数がゼロならお客さんから1円も入ってきません。なので、グラフは原点からスタートします。そして商品が売れれば売れるほど(グラフが右に行けば行くほど)それに比例して売上高も増えていくので、比例のグラフになります。

売上高は売上に比例
このグラフはPower BI Desktopで描いています。Power BI Desktopの使い方解説記事

2つ目は「費用」です。費用は上で説明した通り、「費用=固定費+変動費」です。固定費は商品が何個売れようが関係なく発生するお金なので、横一直線のグラフになります。変動費は、商品が売れれば売れるほど(グラフが右に行けば行くほど)それに比例して増えるお金なので比例のグラフになります。ただし、「売上高」ほど急勾配なグラフにはなりません。売上高より変動費の方が急勾配だと「売れば売るほど赤字」になってしまいますので、そんな商売は誰もやりたくないですよね(;^_^A

「費用」のグラフは固定費と変動費のグラフを足し合わせて完成になるので、切片を持った比例のグラフ(ただし売上高ほど急勾配ではない)になります。

費用は固定費+変動費
このグラフはPower BI Desktopで描いています。Power BI Desktopの使い方解説記事

ここまでが、基本の言葉とグラフの紹介でした。すこし長くなってしまいましたが、これを知らないと「限界利益」「限界利益率」「損益分岐点」を理解することは不可能なので、少しでも分からないところがあれば、分かるまでしっかり読み直しましょう。

限界利益って何?

私は「限界利益」という言葉はセンスが無いと思っています。

「限界利益」と聞くと「利益の限界だからMAXの利益かな?」「でも利益をアホみたいに価格に上乗せしたら(シイタケが1個1万円とか)そんなの売れっこないよなぁ」と誤解を与えてしまうからです。

そこで、限界利益を以下のように理解しましょう

限界利益とは
・固定費を無視した儲け
・「シイタケ」を売り続ける価値があるか

それでは1つずつ解説します。

限界利益とは固定費を無視した儲け

本当の意味でも儲けとは、以下の式で表すことが出来るのは直感的に理解できると思います。売上高から売るために掛かったお金を減らせば儲けになります。

  • 本当の儲け = 売上高 – (固定費 + 変動費)

この「本当の儲け」は別名で「営業利益」とよ呼ばれます。が、それはまた別のお話なので一旦横に置いておきます。

限界利益とはこの内の「固定費」を無視します。つまり以下の式になります。

  • 限界利益 = 売上高 – 変動費

ではなんでこんな訳の分からない考え方をするのでしょうか?「シイタケを売るスーパーマーケット」を例に解説します。

「シイタケ」を売り続ける価値があるか?

スーパーマーケットを例に考えてみましょう。

シイタケを50円で仕入れて、100円で売ったとします。このとき、固定費(従業員の給料やテナント量など)を無視した儲けはいくらでしょうか?答えは超シンプルです。これが限界利益です。

  • 限界利益 = 売上高100円 – 変動費(仕入れ値)50円 = 50円

では、このシイタケが思ったほど売れずに70円に値下げしたら限界利益はいくらになるでしょうか?答えは下の通りです。

  • 限界利益 = 売上高70円 – 変動費(仕入れ値)50円 = 20円

では、このシイタケが賞味期限が近くなったので、さらに40円まで値下げしたら限界利益はいくらになるでしょうか?

  • 限界利益 = 売上高40円 – 変動費(仕入れ値)50円 = –  10円

70円まで値下げしたときは、20円儲かっていたので許せましたが、40円まで値下げすると、1個売るたびに10円の赤字になります。

たとえば、このシイタケを70円で売った場合、限界利益は20円あるわけです。売って損をするということはありません。他の商品(例えばスイカ)が儲かってくれていて、そっちの売り上げから固定費を賄えるのであれば、シイタケを売り続けることに問題はありません。

しかし、シイタケを40円で売った場合、限界利益はマイナスになるので、売れば売るほど赤字になります。つまり、スイカの黒字の足を引っ張ってしまうわけです。そうなってしまうのであれば、シイタケを売ることはやめてしまった方がマシです。

つまり、限界利益とは「シイタケを売る」という事業を続ける価値があるかどうかを判断する基準になるわけです。

シイタケが70円で売れるのであれば、シイタケ事業は続ける価値があると判断できます。もしかしたら1年後、シイタケ事業とスイカ事業の状況が逆転し、スイカ事業が苦しくなったときに、その分シイタケ事業が儲かってスーパーマーケットとしては黒字をキープできる可能性があるためです。

シイタケを売り続ける価値があるか?

おさらい
・限界利益とは、固定費を無視した儲け
・限界利益とは、「シイタケ」を売り続ける価値があるか
・限界利益 = 売上高 – 変動費

限界利益率って何?

私は「限界利益率」という言葉もセンスが無いと思っています。

「限界利益率」と聞くと「限界利益の率?」「ってことは%で表されるのかな?」と誤解を与えてしまうからです。

そこで、限界利益率を以下のように理解しましょう

限界利益率とは
・1売り上げあたりの限界利益
・「シイタケ」を1個売ったら限界利益はいくらか?
・限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上

「限界利益」の説明では、シイタケ1個が売れたときの例を出しましたが、現実にはシイタケ1個売って満足するスーパーマーケットはありません。そこでもっと数を増やして解説します。

スーパーマーケットでシイタケ1個50円で100個仕入れて、100個全部100円で売れた場合で考えてみます。まずは限界利益を計算します。

  • 限界利益 = 売上高(100個×100円) – 変動費(100個×50円)
  • 限界利益 = 10,000円 – 5,000円 = 5,000円

限界利益率は、シイタケを1個売ったときの限界利益なので、限界利益をシイタケの数100個で割ります。

  • 限界利益率 = 5,000円 ÷ 100個 = 50円

なお、本記事では、理解しやすさを優先して限界利益率の計算で売り上げを”数”にしましたが、現実の商売の計算では、売上高=”売り上げた金額”を使う場合が多いです。その時は限界利益率の式を少し変形することが出来ます。

  • 限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高

上の式のように売上”高”にすると、「限界利益」も「売上高」もどちらも「金額」を表すということで一致します。また、限界利益 = 売上高 – 変動費 で表されるので、これをつかうと限界利益率の式は下のようになります。

  • 限界利益率 = (売上高- 変動費) ÷ 売上高
  • 限界利益率 = 1 – 変動費/売上高

この式なら、限界利益率を計算するのに、一度限界利益を求めて売上高で割るという2ステップを1ステップにまとめることができます。

しかし、個人的には、ストーリーとして理解しづらいのでオススメしません。

「限界利益って、固定費を無視した儲けだから、売上高から変動費だけ引けばいいよね」「限界利益率は、1売上げあたりの限界利益だから、限界利益を売上げ(高)で割ればいいよね」と順を追って計算する方が、理解しやすくスッと頭に入ってくるのでおすすめします。

損益分岐点

私は「損益分岐点」という言葉だけはセンスがあると思っています。

損益分岐点とは、その名のとおり損をするか得をするかの境目になる点です。基本のグラフでは、売上げの線と費用の線が交差する点になり、これより右側では「売上げ>費用」となるので儲かりハッピーです。これより左側では「費用>売上げ」となり損になるのでアンハッピーです。

損益分岐点は、損をするか得をするかの境目

損益分岐点とは
・損をするか得をするかの境目
・グラフでは「S」で表現される
・固定費分儲けるためにどれだけ売り上げれば良いか?

損益分岐点とは、固定費分儲けるためにどれだけ売り上げれば良いかを表す

損益分岐点の計算方法を紹介します。

損益分岐点が「損をするか得をするかの境目」という話は理解しやすいと思います。これをもう少しかみ砕いてみましょう。

「損をするか得をするかの境目」ということは、言い換えると「損もしないし得もしない点」になります。つまり式で表すと以下の状態です。

  • 損益分岐点とは、売上高 = 固定費 + 変動費 のとき

「売上高」と「固定費+変動費」が一緒になれば、儲けも損もゼロです。この式の右辺の「変動費」を左辺に移動します。すると

  • 損益分岐点とは、売上高 – 変動費 = 固定費 のとき

となります。ピンと来たかたもいるかもしれません。左辺の「売上高 – 変動費」とは、売上高から固定費を無視した儲け=限界利益です。つまり

  • 損益分岐点とは、限界利益 = 固定費 のとき

これを、日本語に言い換えてみましょうすると、以下のように言い換えることができます。

  • 損益分岐点とは、限界利益と固定費が一緒になるときを表す
  • 損益分岐点とは、限界利益がいくらになれば、固定費を回収できるか?を表す

話を一度、基本のグラフに戻します。損益分岐点はSで表されて「売上高」と「費用」

が重なるポイントを表します。そして、損益分岐点の数字は横軸の数字として表現されます。つまり、損益分岐点の数字を求めるには、横軸と同じ「売り上げ」で表現しないといけません。つまり

損益分岐点とは、限界利益で固定費を回収するためには、どのくらいの売り上げが必要か?

という計算をすれば良いということになります。これを数式で表すと以下のようになります。

  • 損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率(1売り上げあたりの限界利益)

この計算が出来れば「限界利益で固定費を回収するためには、どのくらいの売り上げが必要か?」を求めることができます。

損益分岐点を求める例題

例題
スーパーマーケットの固定費は30,000円、仕入れ値50円のシイタケを、100円で販売するとき、損益分岐点となる売上げ個数はいくらか?なお、仕入れ値以外の変動費は考慮しない。

本記事で紹介した、限界利益→限界利益率→損益分岐点の順に沿って解説します。

限界利益は「固定費を無視した利益」になります。問題文から固定費を無視しましょう。シイタケの売れた数が分からないので、仮にxとします。

  • 限界利益 = 売上高 – 変動費
  • 限界利益 = 100x – 50x
  • 限界利益 = 50x円

次に限界利益率を計算します。限界利益率は「1売上げあたりの限界利益」でした。売上げ個数はx個なので

  • 限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上げ個数
  • 限界利益率 = 50x ÷ x
  • 限界利益率 = 50円

最後に、損益分岐点を計算します。損益分岐点は「限界利益で固定費を回収するためには、どのくらいの売り上げが必要か?」つまり「固定費÷限界利益率」です。

  • 損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率
  • 損益分岐点 = 30,000円 ÷ 50円
  • 損益分岐点 = 600
  • 答え:600個

まとめ

限界利益とは
・固定費を無視した儲け
・「シイタケ」を売り続ける価値があるか

限界利益率とは
・1売り上げあたりの限界利益
・「シイタケ」を1個売ったら限界利益はいくらか?
・限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上

損益分岐点とは
・損をするか得をするかの境目
・グラフでは「S」で表現される
・固定費分儲けるためにどれだけ売り上げれば良いか?

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