先日、EUで認められたばかりのGoogleによるFitbitの買収ですが、オーストラリア競合・消費者委員会(ACCC:Austoralian Competition and Consumer Commision)の承認を待たずに買収をした場合、4億ドル(約414億円)の罰金を支払わなければならない可能性があります。
ACCCは、先日EUで認められたGoogleによるFitbit買収を認めませんでした。
ACCCは、2021年5月まで本件の調査をすると発表しており、その調査の結果、買収を認めるのか?再び認めないのか?は不透明です。Googleが2021年5月まで待つのか?罰金を覚悟でその前に買収するのか?今後の展開から目が離せません。
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GoogleがFitbit買収で提案した条件とは?
GoogleはFitbitを買収するにあたり、市場の独占禁止を保証するために、以下の条件を自らに課しました。その結果、EUはGoogleのFitbit買収を認めました。しかし、ACCCはこの条件を認めませんでした。
GoogleがFitbitを買収する条件
- Googleは向こう10年、FItbitで得られたデータを広告に使用できない。
- ユーザーのプライバシーを考慮し、Fitbitが収集したデータは、他のGoogleデータとは隔絶された場所で保管する。
- ユーザーは、自身の健康データをFitbitのサーバーか、Googleのサーバーか、どちらに保存するかを選べる。
EUの、GoogleのFitbit買収を認めたことについては、コチラの記事 ↓ で詳しくまとめています。合わせてこちらも御覧ください。

ACCCはなぜFitbit買収条件を認めないのか?
ACCCは、GoogleがFitbitを買収することにより、競合他社の介入が困難になるのではないか?ということを懸念しています。GoogleがFitbitを買収することは「垂直的統合」とも呼ばれ、競合他社の市場への参入を困難にする恐れがあります。
GoogleはAndroid OSでスマホやタブレット用OS市場で大きなシェアを獲得しています。さらにその上、Fitbitの持つウェルネストラッカー・ウェアラブル市場を抱え込むことで、OS×健康という新たなマーケットを独占できてしまいます。
ウェルネストラッカー・ウェアラブル市場には、Apple、Garmin、Sumsungといった世界各国のライバルが存在しますが、GoogleがFitbitを買収することでライバルたちをAndroid市場で締め出されてしまうことを懸念しているのです。
ACCCは、2021年5月まで本件の調査をすると発表しており、その発表で買収を認めるのか、再び認めないのかは不透明です。
ACCCは更に、もし仮にアメリカ司法省がACCCの承認を待たずに買収することを許可した場合「法的措置を取って買収を阻止する」と、かなり強気なコメントしています。さらにその上「もし法的措置で買収を阻止出来なかった場合、独占禁止法違反として、Googleに4億ドル(414億円)の罰金を課すことも検討している」とのコメントもしています。
GoogleがFitbitを買収する目的と背景を徹底解説
GoogleのFitbit買収のねらいとは?
Googleはヘルスケア市場への進出を狙っていると考えられています。Googleは今までも、Google検索、Googleマップ、Googleアシスタント、Youtubeなどのサービスを使い、AIを上手く活用することで、ユーザーに対して効果的な広告を打つことに成功してきました。
「従来からの広告業」×「ヘルスケア業界」というブルーオーシャン(ライバルのいない新しいマーケット)に乗り込もうとしているのではないかと考えられています。Fitbitを買収することで、ユーザーの「運動習慣」「体調の状態」「睡眠の質」「健康への興味の有無」という今まで手に入れられなかった情報を手に入れることができます。
- 運動習慣のあるユーザーにはランニングシューズの広告を
- 体調が悪いユーザーには解熱剤の広告を
- 睡眠不足のユーザーには睡眠薬の広告を
など、ユーザーの健康に関するデータを活用した、新たな広告の手法が生み出されることが期待されます。

Fitbit買収により、Googleの持つAIの進化も期待できます。今までに無かった健康データを組み合わせて機械に学習することで、世界でも随一のAI技術を手にすることが出来ます。進化したAI技術は他の分野への応用も期待できます。
GoogleのFitbit買収金額は2.1億ドル(約2250億円)と発表されていますが、それだけの金額を掛けてでもFitbitを買収したいというのは納得できる話です。
ヘルスケアウェアラブル端末といえば、忘れてはいけないのがApple Watchです。ウェアラブル端末業界では圧倒的シェアを誇るAppleを、Googleが意識してヘルスケア市場を開拓しようとしているという噂もあるようです。

Fitbitもノリノリ?
買収される側のFitbitも結構ノリノリのようです。Fitbitはウェアラブル端末の先駆者とも呼べる存在で、現在のウェアラブル業界の礎を築いた企業です。しかし、近年は市場でのシェアを押され気味なのが現状です。
Apple watchという大きな存在の他に、中国企業の台頭、GarminやFossilなど企業の参入などが相次ぎ、ウェアラブル業界は今や戦国時代と言えます。そんな新興勢力に押されて、近年Fitbitは赤字が続いていました。そんな中でのGoogleの後ろ盾はとてもありがたいものですよね。技術的にも財政的にも超強力なバックアップがつくことになります。
ここ最近のウェアラブル業界は、
- ストレスチェックなどの高度なセンサ技術
- 寿命の長いバッテリー
- 非接触支払いシステム(Apple Payなど)
を兼ね備えた端末がトレンドで、企業による製品の違いがかなり少なくなって来ていました。ユーザーのほしい機能と、メーカーの技術がある程度の終着点にたどり着き、ある意味でつまらなくなってしまっていました。そんな中、GoogleがFitbitを買収したことで、ウェアラブル端末業界はまだまだ波乱が続きそうです。目が離せません。
Googleは4億ドル支払う覚悟でFitbitを買収する?
GoogleによるFitbitの買収額2.1億ドル(2250億円)は「安すぎる」と言われています。一方でACCCの罰金は4億ドル(414億円)で、買収額に比べると1/4程度です。
また、GoogleがFitbit買収を発表したのは、2019年11月のことです。今から約1年も前です。発表以降、長きに渡る調査を待ってやっとEUで買収を認められました。さらにその上、ACCCの調査が2021年5月まで掛かるとなると、さらなる遅延は避けられません。
もし、本当に買収額が「安すぎる」のであれば、今後さらなる発展が予想されるウェルネストラッカー・ウェアラブル市場での早期シェア獲得のため、罰金覚悟で買収する可能性は低くないのではないでしょうか?
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Fitbitってなに?
Fitbit(フィットビット)とは、アメリカの会社の名前であり、その会社の商品(主力はスマートウォッチ)です。Fitbit社は2007年創業、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置きます。製品は、スマートウォッチ、ウェアラブル端末、体重計etcです。
下の円グラフは、スマートウォッチのシェアの割合です。一位は圧倒的Appleです。Fitbitはシェアは決して大きいとは言えませんが、他のスマートウォッチでは体験できないみなさんの健康を守り向上させるチャレンジを続けています。

私たちは、皆様の生活を変えていくためのサポート役として、健康づくりとフィットネス関連商品の開発に情熱を注いでいます。健康づくりは大切なテーマですが、極端に深刻になる必要はありません。むしろ笑顔で楽しく、元気をもらいながら取り組んでいく方が、目標は達成しやすくなる。私たちはそう考えています。
引用元:https://www.fitbit.com/jp/about
FitbitとApple Watchの違いは?
Apple Watchが圧倒的シェアを誇っているスマートウォッチ業界なので、みなさんも「Apple Watchか他のスマートウォッチか、どちらにしようかな?」と悩むと思います。そこでFitbitとApple Watchの違いをまとめてみました。
違い① 価格
FitbitもApple Watchも、お手頃な入門モデルからハイエンドモデルを取り揃えています。
Fitbitの価格帯:¥20,000~¥37,000
Apple Watchの価格帯:¥20,000~¥50,000
Apple Watchのほうが、ハイエンドモデルの価格は高く設定されています。しかし、FitbitとApple Watchはそもそもの目的やできることが違うので、値段では一概に良し悪し判断できません。
違い② Fitbitでできること Apple Watchでできること
Fitbit:活動量計*がメイン。スマートウォッチ機能はサブ。
Apple Watch:スマートウォッチ機能がメイン。活動量計はサブ
活動量計=心拍、消費カロリー、睡眠データを計測できる端末
つまり、活動量計をメインで使いたい人はFitbitが、スマートウォッチをメインで使いたい人はApple Watchがおすすめです。
FitbitもApple Watchもできること
- スマホの通知
- 心拍数の記録
- 歩数の記録
- ランニングなどの活動量の計測
Fitbitでしかできないこと
- エクササイズのコーチになってくれる
- 運動や睡眠の記録、目標達成したら通知
- 睡眠の詳細な分析
- 月経サイクルの記録
- ストレス管理(新製品のみ)
- 体温計測(新製品のみ)
Apple Watchにしかできないこと
- Apple Payでのスマート決済(Suica、iD etc…)
- 地図&ナビ
- 電話の応答
- アプリが豊富で拡張性が高い
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参考サイト
One Trust DataGuidance:https://www.dataguidance.com/news/australia-accc-rejects-google-behavioural-undertaking